<おはなしのまえに>
むかあしむかし。中納言てエラいおっさんがいたそうな。天皇に政治のことで報告したり、逆に天皇の言葉を下の者に伝達するのが仕事だ。
時は平安時代。なので奥さんは複数いたりする。そのうちの一人はあっけなく死んでしまった。まだ小さい姫を一人残したまんま。北の方(きたのかた)と呼ばれる奥さんには、娘が四人息子が三人もいたというのに。
北の方は俄然権力拡大。ぼへーーーーっとしてる中納言のおっさんを言いくるめ、残された姫を質素な部屋へ閉じ込めて、お裁縫が上手なのをいいことにまるで下働きのようにこき使ったそうな。
姫が押し込められた部屋は何の飾りもなく、床が落ち窪んでいたので、姫は『落窪(おちくぼ)の君』と呼ばれバカにされる始末。腹違いのお姉さんである一の君、二の君、三の君がめでたく婿を迎えても、姫は来る日も来る日も裁縫ばかり。
それを悔しがるのは、姫が小さい時から仕えている阿漕(あこぎ)。美しく賢いこの娘は、何とか姫に幸せになって貰いたいと悩んでいる。ところが三の君に引き抜かれて仕えなければならないため、しょっちゅう姫のところに行けない。誰かいいお婿さんでもと考えている。自分はちゃっかり帯刀という恋人がいたりするのだが。
キャストは落窪の君がりな、阿漕があめりあ、帯刀(たちわき)がぜる、蔵人(くろうど)の少将がぜろす、右近(うこん)の少将が、がうりいでお送りします。そんな感じで落窪物語の始まり始まり♪
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